(ソースより抜粋)
'19年ごろに大ブームとなった高級食パン。その火付け役となったのが、焼かなくてもおいしく味わえる“生”食パンの専門店『乃が美』だ。
「『乃が美』の店舗は、最盛期には240店舗以上にまで増えました。しかし、そのブームが落ち着いてくると、時を同じくして新型コロナウイルスが流行。
その店舗数は半減し、売り上げは激減。閉店ラッシュとなりました」(フードジャーナリスト、以下同)
その『乃が美』の大半は、フランチャイズ(以下、FC)経営による店舗だ。
「売り上げが落ちたことで当然、経営は赤字続きに。すると、運営会社とFCオーナーたちとの内紛トラブルが報じられるようになりました」
元FCオーナーの中には、『乃が美』と裁判で争う人も。1月5日発売の『週刊女性』では、その男性に話を聞いている。
男性によると、『乃が美』に出資していた投資会社からFC契約の勧誘を受けた際、勧誘資料に東京・麻布十番店の'19年2月の売り上げと人件費が記載されていた。
売り上げに対しての人件費は17・6%だったそうだが、その数字は人件費のかからない“研修生”が働いている前提のものだったという。
それを見てFC契約を締結したものの、人件費が売り上げの35%を下回った月は一度もなかったというのだ。
男性は“異常なFC契約の実態を明らかにしたい”と'22年8月に“1円”の損害賠償を求めて大阪地裁へ提訴。
'23年12月8日にその判決が下され、男性の請求は棄却されたが、控訴して高裁でも争っていくという。
その裏で『乃が美』の元FCオーナーの中には、新ビジネスを始めた人もいる。
事情を知るA氏が語る。
「'23年4月ごろ、『乃が美』でFCオーナーをしていたX氏を中心に、元FCオーナー20人ほどを加盟させて新たな食パン店を始める計画が持ち上がったのです。
それに向けて、食パンの材料となる粉の発注にも動いていました」
しかし、一部の元FCオーナーは、一定の期間において競合する事業を行ってはならないという“競業避止義務”に違反するのではないかという疑念を抱いた。
「食パンからチーズケーキ店へと変更になったのです。」
こうして'23年8月にオープンしたのが、関西や九州などに店舗を構える『MEETS CHEESE(以下、ミーツチーズ)』だ。
「『乃が美』の跡地に『ミーツチーズ』がオープンしたことは、地元紙や地域の情報サイトでも多く取り上げられています。
その理由は、元FCオーナーたちが『チーズプラス』という会社に加盟して経営している店だからです」(前出・A氏、以下同)
当時のプレスリリースでは、8月に16店舗、9月初旬までに11店舗の計27店舗がオープン予定と発表。
しかし、'24年2月に公式サイトを確認すると、現在営業しているのは13店舗と、“閉店ラッシュ”が起きていた。
「『ミーツチーズ』でも、すでに複数の運営トラブルが発生しており、契約を解除するオーナーが相次いだのです」
いったい、何があったのか。
「例えば、各店舗に納品されるチーズケーキが割れたりつぶれたりしていて、売り物にできないものばかりだったそうです。
多いときでは8割ほどが不良品でしたが、そのことを本部に伝えると“裏返しにして使え”“食品で不良品が出るのは当然だ”といった答えが返ってきたんだとか」
また、クリームは賞味期限が残り5日程度など、極端に短いものが納品されることも多く、大量に廃棄することもあったという。