
スーパーの弁当の進化が止まらない 三陸の茎ワカメを使った和の弁当、エジプト料理再現も
全国スーパーマーケット協会が年に1度、全国のスーパーなどで販売中の弁当・総菜から選出する「お弁当・お惣菜大賞」。1月、応募数約1万5千の中から、今年の受賞商品が発表された。
全11部門のうち弁当、麺、サラダの3部門で最優秀賞を獲得したのが、関東でチェーン展開するマミーマート(さいたま市)が販売している商品だった。
弁当部門で最優秀賞の「三陸産茎ワカメと鮭の炊き込みご飯弁当」は430円。炊き込みご飯は、茎ワカメのコリコリとした食感が楽しい。おかずは、じゅわっとだしがしみこんだ菜の花のお浸し、シャキシャキ感のあるレンコン入りひじき煮など。派手さはないが、味わい深い和の総菜が詰まっている。
https://i.imgur.com/Y4tFVR9.jpg
開発は、グループ会社の彩裕フーズ(埼玉県川越市)が担当。同社の山本孝二さんによると、旬のものから低コストで使える食材を探し、三陸産の茎ワカメに着目。「茎ワカメをメインに使い、ほかにない弁当を作りたい」と思ったのが、誕生のきっかけだった。
食材はこれまで未利用だった部位を活用。茎ワカメはワカメの製造工程ではじかれていたもの、サケはアトランティックサーモンの血合いを使い、仕入れコストを抑えて、フードロス削減にもつなげた。
「炊き込みご飯は刻んだしょうがなどを加えて香りよく炊き、後から茎ワカメを加えて食感や色味を残すようにし、さらに白ゴマで風味を加えました」(山本さん)
味付けは控えめ。ひじきの煮物や菜の花のお浸しなどには、かつおをメインとした自家製のだしを使っているという。
山本さんが目標としているのは家庭の味。「これからも『おいしいね』と喜んでいただけるお弁当を作っていきたい」と笑顔で語った。
珍しい海外の料理もスーパーの弁当で味わえるようになった。全国に85店舗を展開するロピア(川崎市)は、日本であまり知られていない海外の料理を中食化。
今年の「お弁当・お惣菜大賞」では、エジプトの国民食「コシャリ」をアレンジした弁当が入選した。
そもそもコシャリは、ご飯、細いパスタ、マカロニといった炭水化物に、ひよこ豆やトマトソースを混ぜて食べる。
関東エリアを中心に販売する「混ぜて食べるエジプト1番人気コシャリ」(648円)は、チキンやマカロニがのったご飯に、添付のトマトソースをかけ、スプーンで混ぜながら味わう。トッピングの揚げ麺は最初はパリパリ、次第にやわらかくなる。レモンソースもついていて、途中でかけると味の変化が楽しい。
https://i.imgur.com/nT81wnS.jpg
https://www.sankei.com/article/20240224-2M526VBYAZG2JA7HCQWZJVY5SM/