「中学受験の不合格が受け止められない」 受験を後悔している親へ、安浪京子先生が伝えるメッセージとは

2024年組の中学受験が終わりました。厳しい中学受験の世界では、不本意な結果に終わるケースも多々あります。「子どもの不合格が受け止めきれない」親たちに、プロ家庭教師の安浪京子さんが伝えるメッセージとは。

(中略)

――中学受験シーズンが終わりました。不本意な結果になり、お子さんが「学校に行きたくない」というご家庭もあるようです。

 中学受験で第一志望に合格できるのは3,4人に1人の世界です。第二志望や第三志望に進学する子、あるいは全部の学校にご縁がなかった子もいます。それでも小学校に行く子もいれば、行きたくない、すごく嫌だって言っている子もいます。

(中略)

■親の気持ちが切り替えられない、そんな時はどうする?

――子どもは気持ちを切り替えられても、親が切り替えられないという声も聞きます。

 そういう親御さんはとても多いです。私は「中学受験カフェ」というサイトで毎月、オンライン相談会をやっていて、いつも2月に「結果を受け止められない」というテーマを設けています。初めて開催した時は2時間で設定していましたが、結果、終わるまで5時間かかりました。皆さんそれだけ、ほかに吐き出す場所がなく苦しんでいらっしゃるのです。

「こういう結果であるならば、こんなに勉強させなければよかった」、「(全部ご縁がなかった場合)子どもは笑顔でいるけれど、本当は深く傷ついているのではないか」といった声や、「親の自分が切り替えなきゃと思っているが、頭ではわかっていても、体が動かない、何もやる気になれない」、「中学受験させてよかったのかどうか今でもわからない」といった声などが届きます。

(中略)

 受験を終えられたばかりの親御さんは、今の結果を見て、中学受験はこの子には必要なかったかもしれないとか、本当にやってよかったかわからないと思うかもしれません。でも、中学入試の結果って、運がすごく大きいのです。もう一度同じ入試があったら合格者が半分入れ替わるとも言われています。それは、受験しているのが幼い小学生だからなのです。

 よほど、親にイヤイヤやらされていた中学受験とか、親子関係がめちゃくちゃになってしまった中学受験じゃない限り、子どもの中には何か絶対、根付いたり、成長したりしている部分があります。それは、今すぐはわからないと思いますが、子どもが中学生になったとき、高校生になったとき、あるいは社会人になったとき、結婚してからかもしれませんが、いつか気づくときが来ます。

――合格・不合格だけでは測れない価値があるということですね。

 その通りです。中学受験の難しいところは、つらいことがたくさんあったとしても、子どもに厳しい言葉をかけてしまったときが幾度もあったとしても、合格したらオセロが全部シロにひっくり返り「第一志望に合格したし、これで良かったんだ」となること。一方、志望校にご縁がなかったり、親御さんの中で「こうじゃなかったはずなのに」と後悔していたりすると、中学受験の過程で子どもが成長したり、クラスが上がって喜んだりといったキラキラした瞬間も全部クロに変わってしまうことです。

 苦しいこともたくさんあったと思いますが、親御さんがお子さんのことを一番に考えて、これが良いだろうと思って選択されてやってこられたのです。その選択は間違っていない。どんな結果であれ、中学受験をやってよかったのだと私は思います。

(中略)

――進学する子どもに向け、親はどんな言葉をかけたらいいでしょう。

 子どもたちはまだこれから新しいピカピカの人生が待っています。だから、進学先には元気で明るい顔で行ってほしいなと思います。そこを親御さんが、「第三志望なんて……」「こんな学校なんて……」ということを思ったり言ってしまったりすると、子どもは中学校で頑張れません。思ってしまうのは仕方がないとしても、子どもには絶対言わないでほしいです。

 子どもの前ではウソでもいいですから、「楽しみだね」とか、「通学の途中に、面白い文房具屋さんがあったね」とか、何か前向きに進学先に行けるような声掛けをしてあげてほしいなと思います

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