
水道メーター盗難多発と銅価格高騰との関係(橋本淳司) - エキスパート - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/995381c99c1085002cb42ee3e033e010ebe9e182
水道メーターは水道管から家庭へと流れる水道水の量を測るもので、これによって水道料金が決まる。水道メーターの横には止水栓があり、閉めると水が流れなくなる。
水道メーターは工具があれば比較的簡単に取り外すことができる。取り外すときには止水栓を閉める。だから水道メーターが盗まれたのを、蛇口から水が出ないことで気づくケースが多い。
水道メーターには認識番号が刻印されているため(上の写真)、そのまま転売することは難しいが、換金することは可能だ。
水道メーターを換金するまでの流れ
水道メーターは青銅鋳物でできている(青銅ではなく黄銅合金=真鍮の水道メーターもある)。青銅鋳物は、腐食に強く、圧力に耐えられる性質をもち、加工もしやすいことから、幅広い分野で利用されている。かつては大砲を青銅でつくっていたことから「砲金」とも呼ばれる。青銅鋳物は銅の比率が8割以上と高いため、高値で取引されている。
スクラップ問屋は、水道工事業者、解体業者の持ち込み、地方自治体の入札から青銅鋳物を仕入れ、青銅合金メーカーに販売している。高値で買い取ってもらうには、砲金のみにする必要がある。砲金は水道メーターの容器やバルブの本体に使われている。完全に解体し「砲金のみ」にすると、現在1キロ1000円弱で買い取ってもらえる(砲金以外の素材が付いていると買取価格は下がり、水道メーターの未解体品は、解体の手間がかかるため買取価格はさらに下がる)。
なぜ銅(合金)価格が上がっているかというと、需要に供給が追いつかないから。新型コロナの影響で鉱山での生産が滞っていたが、コロナが明けて急激に需要が高まったこと、銅生産国であるロシアとの貿易が止まっていること、風力発電など再生可能エネルギーの素材として銅が大量に必要であることなどが、その要因だ。
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