
国内唯一「スカイレール」廃止へ トラブル越え広島で開業25年 情熱かけた神鋼技術者「寂しい」
国内で唯一の乗り物という「スカイレール」が走っている。モノレールとロープウエーの技術を組み合わせた無人運転の新交通システムだが、今年4月末で運行を終えることになった。開発や建設には神戸製鋼所(神戸市中央区)が関わった。当時担当した同社の技術者らは口々に「寂しい」と語り、四半世紀の歴史に幕を閉じる鉄路に思いをはせる。(大島光貴)
スカイレールは1998年に開業した。同市安芸区のJR山陽線瀬野駅と丘陵地にある「スカイレールタウンみどり坂」を結び、全長1・3キロ、高低差約160メートルを5分で走る。車両はゴンドラ型で定員は25人。
ロープウエーと同じくワイヤロープを握って動き、モノレールのように、車体の上に結合された台車のウレタンゴム製車輪が軌道桁に沿って走る。急勾配の運行に強いほか、駅ではロープを離し、リニアモーターで加減速するのも特長だ。
約25年間、地域の足として親しまれた広島のスカイレールも、計画時の想定ほど収入が得られなかった上、特殊な仕組みの維持費などがかさみ、赤字が続いた。2022年、運行会社のスカイレールサービスが運行終了を発表。今春には、その役割を電気自動車(EV)バスに受け継ぐ。
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202401/0017238436.shtml