美輪明宏 同性愛告白のいきさつ「人間同士が愛し合うことのどこが違うんだと」 黒柳徹子も賛同― スポニチ Sponichi Annex 芸能
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当時はまだ性的少数者が今以上に生きづらい時代。ある日、事件が起きた。友人が同性愛を家族に知られたことを苦に、自殺したという。美輪は「大変でしたよ。5、6人いましたよ、自殺した人が。たくさん見ていたから」と、当時を回想。「何をしたっていうの?男が男を愛し、女が女を愛し、男が女を愛し、女が男を愛し…人間同士が愛し合うことのどこが違うんだと。これは戦わないといけないと思ったんです」と、忸怩(じくじ)たる思いを口にした。

美輪は大きな決断をした。自身も同性愛者であることを雑誌で告白した。「雑誌社の人が“そんなことを言ったら葬られますよ。ダメですよ”って。記者の声でマイルドな表現に変えられたんですよね」。美輪への風当たりを心配した記者の配慮で、「相手は女性のときもあり、男性のときもあります」と、やや柔らかい表現に変えられたという。

美輪は「“いいですよ、書いて下さい”って。“そしたら1人でも死ぬ人が減ってくるから。そういう人たちのために私は戦います”って」と、確たる信念を記者に告げたという。名だたる文豪も、美輪の思いに賛同してくれたそうで、「三島(由紀夫)さんとか、川端(康成)さんとか、江戸川乱歩さんとか、天才たちが全部、私を後押ししてくれた。勇気のいることなのに、そうなって下さって」と感謝した。

告白後、街中で石を投げつけられるなど、悔しい思いをしたという。それでも、美輪の心に変わらず息づくのは、人間であることと、愛することの平等さ。「私は人を殺したわけではない。物を盗んだわけではない。人間が人間を愛して、どこが悪いんだ。そういう正論があったから、だから突っ張って来られたんですよね」。まっすぐな目で訴えた。

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