アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コーク(UCC)の研究チームは、アルツハイマー病の患者から採取した糞便を健康なラットに移植すると、
ラットに認知症の兆候が現れたり海馬の神経細胞が成長しなくなったりすることを世界で初めて確認しました。

つまり、「アルツハイマー病が糞便を介して他の個体に伝染する」可能性を示しました。研究成果は脳科学分野の学術誌
「Brain」に10月18日付で掲載されました。

この研究は、アルツハイマー病に新しい治療法の開発にどのような知見を与えるのでしょうか。詳細を見てみましょう。

長期空間記憶の障害、新規認識記憶が著しく低下
UCC研究チームは、以前からアルツハイマー病の患者は健康な患者に比べて有害な腸内細菌を多く持つという報告があったことに注目し、
腸内細菌叢を介したアルツハイマー病の伝染は起こるのかを確かめるために実験しました。

https://www.newsweekjapan.jp/akane/2023/11/post-71_1.php