WirelessWire News
『1ビットLLMの衝撃! 70Bで8.9倍高速 全ての推論を加算のみで!GPU不要になる可能性も』
https://wirelesswire.jp/2024/02/86094/

Microsoftの中国チームがとてつもないLLMをリリースした。それが「BitNet 1.58Bits」だ。

もともとMicrosoftはかねてから「1ビット量子化」の研究を続けて来た。しかし、32ビット浮動小数点での計算が主流な時代にはあまりに野心的で荒唐無稽なプロジェクトに見えていたのは否めない。しかし、現在、大規模言語モデル(LLM;Large Language Model)は8ビット、4ビットで量子化されるのが当たり前になり、量子化しても性能劣化はある程度まで抑えられることも知られるようになった。

昨年10月に発表した「BitNet」は、多くの人々が他のことに気を取られていてほとんど話題にならなかった。
そんな中、満を持して発表された1ビットLLMの性能に関するレポートは、衝撃的と言っていい内容だ。論文のタイトルも堂々と「The Era of 1-bit LLM(1ビットLLMの時代)」としている。

彼らが発表したグラフを引用しよう。
https://i.imgur.com/VMD8HyS.png

まず、最近主流になっている70B(700億)パラメータモデルでの比較である。Llamaの70BとBitNetの70Bモデルを比較すると、BitNetは8.9倍のスループットを誇るという。

「速いだけで回答が微妙なのでは」と心配するのが普通だろう。
そこでLlamaモデルとの比較が載っている。
https://i.imgur.com/zmgoo1X.png

この表によると、BitNetはLlamaよりも3倍高速でしかも高精度ということになる。
PPLは「困惑」の度合いを意味する数値で、低いほど「困惑してない」ことになる。Llamaよりも性能劣化してないどころか性能は上がっている。

また、各種ベンチマークにおいても平均点は同規模のBitNetがLlamaを上回っている。しかもBitNetは規模が大きくなるほどLlamaに対して優位に立つようになっている。

この圧倒的なスピードの秘密は、BitNetが文字通り「1ビットで処理している」からだ。

https://i.imgur.com/1tcsItA.png