松本さんに関する報道が過熱した1月中旬から下旬にかけて、ネット上に「風向きが変わりはじめた」というムードが生まれました。

 それまでは「被害者女性を第一に考えるべき」「さすが文春」「もう松本人志は復帰できないのでは」などと報道に肯定的な声が大勢を占めていたものの、一転して「文春はやりすぎ」「週刊誌が力を持ちすぎるのはどうか」「松本人志が不利すぎるのでは」などの声が浮上。この背景には、性加害とは別次元のプライバシーにかかわる続報が多かったことや、実際に松本さんが出演番組から姿を消しはじめたことなどがありました。

 同様に27日から28日にかけてデヴィ夫人や三代さんの記事が報じられた際も、そのコメント欄には下記のような週刊誌報道を疑問視する声があがり、多いものは数万単位の「共感した」が押されていました。

 「この件についての真実は別として、断片的、表層的な事実を誇張し、誌の売上のためにスクープと称して報道する週刊誌の姿勢には疑問を持たざるをえない。(中略)このような悪質な商売を野放しにしてはならないし、報道の自由をかざした暴力に抑止力をもうけなければならない」

 「この件の良し悪しは別にして、確かに最近のマスコミは利益第1主義で表現の自由を盾にやりたい放題感はある。このような訴えが増えてくれば週刊誌も考えるようにはなるかもしれない。(中略)人権侵害を報道していたマスコミが人権侵害をしていることにはあまり矛先が向けられていなかったのでこのような訴えが増えることは望ましいことかもしれない」

 デヴィ夫人のコメントには、まさにこうしたネット上のムードを追い風にするような下記の文章がありました。

 「最近は、一部の週刊誌が強い権力を持ち、一般の方が週刊誌に情報を提供し、週刊誌が他方当事者である著名人の言い分を公平に載せることなく著名人を貶め、社会から抹殺している事象が、多数見受けられます。そのような報道姿勢は、表現の自由、報道の自由に名を借りた言葉の暴力と申し上げざるを得ません。昨今、言葉の暴力が、人を死に至らしめたという痛ましい事件も発生しております。社会の公器たる報道機関が、むやみに言葉の暴力を振りかざすことを持て囃すかのような最近の風潮は、極めて危険であり、直ちに改められなければなりません。また、一般の方が、紛争解決のため、正規の手続に拠ることなく、週刊誌を使って著名人に追い込みをかけているとすれば、それは、報道機関が持つ権力を笠に、言葉の暴力を利用する共犯者というべきであり、そうした姿勢が正しいかどうかも、十分に検討されなければなりません。そのような思いから、今般、刑事告訴に踏み切る決断をした次第です」

 これは自身に関する記事だけでなく、週刊誌そのものの報道姿勢を「言葉の暴力」と考え、「世間に問いかけたい」という強い意志を感じさせるコメントでした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/41da661c6248cbeb5ffedfc2eb1b20539f48cd6e