ネット上の仮想空間に若者向けのハローワーク開設 日本初、分身のアバター≠ナ就活相談

インターネット上の仮想空間であるメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター(東京都品川区)と大阪労働局が共同し、
メタバース上に若者向けの「バーチャルわかものハローワーク」を開設させた。
若者の完全失業率は全年齢平均に比べ高止まりが続いており、メタバース上で「相談できる場所」を用意し、就労支援を行う。
ハローワークを知ってもらって就職相談などのハードルを下げ、利用のきっかけにつなげることが狙いだ。全国の労働局では初の試みとなる。

利用者同士の交流の場にも
大阪労働局によると、このメタバースでは、自分の分身となる「アバター」による簡易相談、セミナー動画の視聴、企業説明会への参加などができる。
2月7日に開設して以来、約1か月で新規訪問者は978人、総入場者は延べ4127人となった。当初の想定を上回る利用になっているという。
利用者からは「(引きこもっていて)ネットの世界しか知らなかったが、仕事に興味を持った」「他者の考え方を知ることができた」といった声があがり、
職員のアバターに就職相談をする以外にも、利用者同士の交流の場所としての役割も果たしている。

場所にとらわれずアクセスが可能。パソコンやスマホなどでアバターを操作して参加する。アバターを使用することで、
匿名性を保ったまま職員のアバターに就職相談をしたり、企業説明会に参加したりできる。

複数のエリアで構成され、平日の日中はハローワークの職員が操作するアバターが常駐し、気軽にメッセージや音声でのコミュニケーションを図れる。
バーチャル企業説明会も行われ、企業側は無料でアバターを用いて説明会を開催できる。

「メタバース」の活用に意欲
大阪労働局の担当者は「リアルのハローワークに来なくても、ここ(メタバース)でできるコンテンツを増やしていきたい」と話し、
「リスキリングや学び直しが注目される中で、バーチャルわかものハローワークでも、『職業訓練(ハロートレーニング)』の発信を
積極的に行っていきたい」と今後の展望を述べた。
https://www.sankei.com/article/20240301-MGNCUXDMBVFSPHIQUUBZ6M2QVQ/