
1回の排尿ではどのくらいの量が出ているものなのでしょう?
「最初に排尿がしたくなる初発尿意は100~150mlで起こりますが、そこから尿がたまって、排尿時には250mlぐらいになります。
一般的には多くても500mlまでといわれていますが、なかにはそれ以上ためられる人もいます。1日の総量の平均は1000~1500mlくらいです」
とはいえ、実際にどのぐらいの量を排尿しているのか、量ったことがない人がほとんどです。
「1回に出る量が少なければ、それに伴って排尿の回数が増え、頻尿(ひんにょう)といわれる状態になります。
ただ、排尿の症状は主観的なものが多いので、排尿の量や回数よりも、ご自身が困っているかどうかのほうが重要です。
もし生活に支障が出るなど、お困りのことがあれば、泌尿器科を受診しましょう」
なるほど。平均的な回数はあくまでも目安として、日常生活に支障を来すようであれば、泌尿器科を受診するのがよいのですね。
普段、自分が1日に何回トイレに行っているのか、意識することはあまりありませんが、一般的にはどのくらい行くものですか?
「1日7回以下が平均です。ただ、それより多いからといって、すぐに病気かというと、そんなことはありません。例えば、1日にたくさん水を飲まれる方は、当然、排尿の回数も多くなります」
回数の多い、少ないだけで、神経質になる必要はないとのこと。安心しました。
尿の色が濃いときは「体に水分が足りてない」サイン
尿といえば、色も気になるところ。濃い、薄いなど、注意して見たほうがよい点はありますか?
「水をたくさん飲んでいる人は、どんどん透明に近い薄い色になっていきます。反対に飲む量が少ない人は、オレンジに近いような濃い黄色に。
体の中の老廃物を体外に流すのが尿なので、摂っている水分が少ないと老廃物の割合が高くなり、濃い色になります。
尿の色だけを見て、疾患の有無を判断することはできませんが、尿の色を見れば、体が脱水状態かどうかの目安になります」
乾先生によると、尿は熱中症かどうかの判断の目安にもなるそうです。
「熱中症は症状が出るまでなかなか気付きにくいものですが、尿が黄色く濃いときには脱水気味です。尿の色の変化に気付いたら、意識して水を飲みましょう」
人の体の50~60%は水分でできているといわれています。体内の水分量をコントロールすることは体の基本的な働きに関わることで、とても重要です。
体内に十分な水分が行き渡っているのかどうか、尿の色や量を見ることで判断することができると、乾先生は言います。
今の40代女性は知っている人も多いと思いますが……一時期、水をたくさん飲むと痩せる、というダイエット法が流行ったことがありました。水は飲めば飲むほど体に良いのでしょうか?
「水を飲むと腸が刺激されるので、排便しやすくなり、便秘が解消されることがあります。それが結果的に痩せることにつながるかもしれません。
ただ、水は飲めば飲むほど体に良いというわけではなく、1日に2ℓも飲めば十分です。運動量の多い方や、半身浴で汗をかきたいときなどは、たくさん飲んでも問題ありませんが、
無理して多く飲もうとする必要はありません」
そうなんですね。子育てや家事、仕事などで忙しいと、つい水分を摂ることを忘れがちになる私たちオトナ世代の女性たち。
でも、日ごろから尿の色や量を見ることを習慣にしながら、適量の水分摂取を心がけていきたいです。
https://kufura.jp/beauty_health/health/430434