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https://ascii.jp/elem/000/000/311/311791/
日本AMD(株)は、“3DNow!”技術を組み込んだ『AMD−K6−2/333』、『同/300』、『同/266』プロセッサーを発表した。同プロセッサーは、3Dグラフィックス、オーディオやマルチメディアの性能を向上させる同社の“3DNow!”技術と、MMX対応アプリケーションの性能を向上させる“エンハンスト・スーパースケーラMMX機能”を組み込み、マルチメディア・アプリケーションの処理能力が大幅に向上したものだという。また、“Socket7”だけでなく“Super7”プラットフォーム(100MHzローカルバスおよびAGP)にも対応しているという。
同プロセッサーは、930万のトランジスタを集積。同社のウエハー製造工場Fab25で、0.25μm5層メタル・プロセス技術で製造される。パッケージは、321ピンCPGA(CeramicPinGridArray)。
“3DNow!”技術では、新たに21命令セットを追加し、3Dグラフィックス、オーディオやマルチメディアをはじめ、浮動小数点演算を使用するアプリケーションの性能が大幅に向上するという。命令セットは、主にSIMD(SingleInstructionMultipleData)を採用。浮動少数点演算性能はピーク時で『AMD−K6−2/333』は1.333GFLOPS(PentiumII−400MHzは0.4GFLOPS)を発揮するという。
同技術は、システムに搭載された3Dグラフィックス・アクセラレーター・カードの処理を補完することにより、プロセッサーと3Dグラフィックス・アクセラレーター・カード間のボトルネックを解消する。また、“エンハンスト・スーパースケーラMMX機能”は、デュアル・デコードおよびデュアル実行パイプライン、制約なしのデコード・ペアを実現することにより、MMXアプリケーションの性能が向上するという。
“Super7”プラットフォームは、100MHzバスをサポートする。100MHzローカルバス・インターフェースは、レベル2キャッシュおよびメインメモリーへのアクセスが66MHzSocket7のバス・インタフェースに比べ、約50パーセント高速化するという。『AMD−K6−2』に対応した“Super7”は、100MHzおよびAGPをサポート。米VIATechnologies社および台湾AcerLaboratories社(ALi)は“Super7”チップセットを発売。台湾BiostarMicrotechInternational社などのマザーボードサプライヤーも、『AMD−K6−2』プロセッサーをサポートするという。
価格は同一クロック速度のPentiumIIに比べ約25パーセント低く設定したという。1000個ロット時の単価で、『AMD−K6−2/333』が5万5350円、『同/300』が4万2150円、『同/266』が2万7750円。
「わが社の戦略は、インテルよりも高性能なプロセッサーを低価格で提供していくことだ。インテルは、これまで自社利益を守るために価格を高くしていた。われわれが入り込む余地があると考えている」と、同社代表取締役社長の境和夫氏は語った。
なお、『同/350MHz』を’98年第3四半期に、『同/400MHz』を’98年第4四半期に発売する予定という。
(株)ソフマップと(株)フリーウェイ(TWOTOP)が同プロセッサーを搭載したコンピューターの販売を開始した。海外では、米KryoTech社が−40度冷却システムを用いて、450MHzまでスピードを上げた『AMD−K6−2/333』と、100MHzシステムバスとAGPを搭載したATXフォーマットのマザーボードを搭載したコンピューター『CoolK6−2』を発売している。
米IBM社、富士通(株)、日立製作所も同プロセッサーの採用を検討しているという。