奈良市の近鉄大和西大寺駅北口・駅前広場(ロータリー)前にある交差点で、今月下旬にも信号機と横断歩道の運用が始まることが、奈良県警や奈良市などへの取材で分かった。同駅は県内最大級のターミナル駅で利用者が多いが、周辺の横断歩道には信号機がなく、安全対策が求められていた。
県警と市が整備を進めており、雨天で遅れが生じなければ、今月26日にも運用が始まる予定だ。県道谷田奈良線と市道西大寺一条線が交わる交差点に新たに三つの横断歩道を整備。東西と南北、駅側と南都銀行側を結ぶスクランブル交差点ができる。これに伴い、同駅北口の階段下近くにある横断歩道は撤去される。
交差点には同時に、歩行者と車両の青信号のタイミングをずらす「歩車分離式信号」が設置される。視覚障害者の安全対策として、東西と南北を結ぶ横断歩道に突起状の道筋「エスコートゾーン」を取り付ける。
同駅北口周辺にある横断歩道にはこれまで信号機がついていなかった。交通量の多い道路を歩行者が安全に渡れるよう、信号機の設置を求める声が度々、市議会で紹介されていた。
駅前一帯は市が長年にわたって再整備を進めており、昨春には駅前広場や芝生がある歩道の整備を終えたばかり。交差点付近には2022年7月に安倍晋三元首相が銃撃された現場があり、23年春に歩道に二つの花壇が造られた。今回の横断歩道は花壇に影響がないように整備される。
一方、西大寺一条線では現在、南進してきた車が直進して駅前広場に入ったり右折したりできない形状になっているが、その道路整備は今回は見送られる。(佐藤道隆、富岡万葉)
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