ロシアが公表した軍高官協議の情報漏えい、ドイツは火消しに躍起
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-04/S9TXFVDWX2PS00

2024年3月5日 4:14 JST 

>ロシアメディアの録音音声公表は「プーチンの策略」-ドイツ政府

>漏えいした音声でドイツは長距離ミサイル供給など協議、信頼に傷

ロシアは「不名誉でばかげたプロパガンダ」でウクライナ支援国の分断を図っていると、ドイツが主張した。ロシアメディアはこの数日前に、ドイツのスパイ対策に疑問を呈するような情報を公開していた。

  ロシアメディアは先週、ドイツ空軍高官らによる同国製長距離巡航ミサイル「タウルス」の供給を巡る議論だとする録音音声を報道。この録音音声の中では、ロシア本土とクリミアを結ぶ橋の破壊にはミサイルが何発必要かなどが話し合われていた。ショルツ独首相はタウルスの供給を繰り返し否定している。

  週末にショルツ氏はこの情報漏えいを「極めて深刻な問題」だと指摘。ドイツ政府のウォルフガング・ビュフナー副報道官は4日、ウクライナ支援の主要提供国であるドイツをロシアが標的にしていることに驚きはないと語った。


  情報漏えいに関する質問が集中したベルリンでの定例記者会見でビュフナー氏は、ウクライナ支援国は「プーチン(ロシア大統領)の策略にはまるべきではない」と呼び掛けた。

  国防省報道官は、内部調査の完了には数日かかると述べ、ドイツ軍の内部連絡にロシアがアクセスした他の事例は承知していないと付け加えた。

  この情報漏えいはドイツの政府と軍にとって大きな恥辱となっただけでなく、北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての信頼や安全保障関連情報の取り扱いに疑問を投げ掛けた。