ソース先に動画
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a1f1a749b740d9663715c3394d66ffb7f1685271
3月4日から5日に掛けての夜間、ウクライナ国防省情報総局(GUR)の特殊部隊「グループ13」がロシア連邦黒海艦隊の哨戒艦「セルゲイ・コトフ」を
複数の自爆無人水上艇「マグラV5」で攻撃、艦尾と右舷および左舷を破壊し撃沈したと発表しています。
襲撃位置はクリミア半島のケルチ海峡付近の沿岸とされています。

発表された動画では複数の突入が確認され、損傷は確実です。ただし沈没する様子までは撮影されていません。
哨戒艦「セルゲイ・コトフ」はこれまで2回ほど撃破報告があったのですが、その都度無傷で帰って来ていました。
しかし遂に今回は自爆無人水上艇の撃退はできなかったようです。

22160型哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は満載排水量1800トンのやや大きめのコルベットか小さめのフリゲート相当の軍艦です。
巡航ミサイル発射用の垂直発射筒も搭載可能とされていますが現状では未搭載で、76mm砲と14.5mm機関砲による海上警備を主任務としています。

ロシア海軍黒海艦隊の撃破10隻(コルベット以上の大きさの艦)
2022年03月24日:揚陸艦「サラトフ」 弾道ミサイル ※港湾
2022年04月13日:巡洋艦「モスクワ」 対艦ミサイル ※洋上
2022年06月17日:外洋曳船「ヴァシリー・べフ」 対艦ミサイル ※洋上
2023年09月13日:揚陸艦「ミンスク」 巡航ミサイル ※港湾
2023年09月13日:潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」 巡航ミサイル ※港湾
2023年11月04日:コルベット「アスコリド」 巡航ミサイル ※港湾
2023年12月26日:揚陸艦「ノヴォチェルカスク」 巡航ミサイル ※港湾
2024年02月01日:コルベット「イワノヴェツ」 水上ドローン ※沿岸
2024年02月14日:揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」 水上ドローン ※沿岸
2024年03月05日:哨戒艦「セルゲイ・コトフ」 水上ドローン ※沿岸
※港で撃破されたうち、揚陸艦「サラトフ」は除籍され永久損失、揚陸艦「ミンスク」と潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」は修理復帰を計画中、
コルベット「アスコリド」は状況不明、揚陸艦「ノヴォチェルカスク」は損傷が激しく修理不可能。

自爆水上ドローンの戦果は全て沿岸付近で、洋上の沖合ではありません。
これは背が低く見通し範囲が狭く索敵能力の低い自爆水上ドローンの都合上、敵艦の居場所が絞り込めていないと襲撃が難しい面があるからでしょう。

また2023年8月4日のロシア本土ノヴォロシスク港襲撃で揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を自爆水上ドローンが襲撃した際は
追撃を与えられず仕留め損ねて3週間で修理復帰されてしまった戦訓から、最近の襲撃(2月1日のイワノヴェツ以降)では
複数艇の突入で確実に撃破できるように戦術を変更していることが分かります。