
“父を罪に問う” 家族はそのとき…
里帆さんは2022年5月、母親と佳樹さんに同席してもらい、父親本人がどう思っているのか初めて尋ねることにした。そのとき、里帆さんが録音した音声記録が残っている。
里帆さん:児相に行ってから今までちゃんと話を聞いたことがなかったから。どう思っているのかなって。
父親:私は何を言えばいいわけ。
話そうとしない父親。しかし、佳樹さんが席を外すと少しずつ口を開き始めた。
里帆さん:私を性的対象と見始めたのはいつなんだろう?
父親:……
里帆さん:いつなんですか?
父親:中学生くらいとか、そんな時じゃないかな…
里帆さん:快楽のため?性的嗜好のため?
父親:はっきり…理由とかははっきり…これという理由は無い…わからない…言葉にして出せない。
里帆さん:私が傷ついているとか、そんなことも全く考えなかったということでしょ?
父親:そういうことをやるってことは…私がバカなんだろうな..。だから、考えることができなかったんだろうな。自分が愚かだってこと。
里帆さん:避妊していない時もあって、私があなたの子どもを妊娠したらどうするつもりだったの?
父親:もしそういったことになっていたら、“堕ろす”ことになっていたと思う。
性的虐待の事実を認めた。父親が書き記した「反省文」も残されている。
『自らの欲望を優先させた結果、娘を用いて自らの性欲を満たしました。大変申し訳ございませんでした』
里帆さんが望んで得た「父の告白」だった。しかし同時に、心は大きく揺れ動いた。
里帆さん
「全く知らない人からレイプとか、もちろん辛いんですけれども、それだったら家族も親族も総出でその人を恨めるし。私も恨み切れる。だけど、どうしても血がつながっている実の親だから。憎み…一生憎み切れないと思います、今はそう思います」
それでも2023年3月、里帆さんは葛藤しながらも、父親に対する告訴状を警察に提出した。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/907137?page=3