「一帯一路」から離脱したはずのイタリアが中国企業の誘致に積極的な理由、EUにもはびこる「上有政策、下有対策」

2023年12月、中国が推進してきた「一帯一路」構想からイタリアが離脱したことは、日本でも大いに話題になった。当初イタリアは、
一帯一路に参加することで中国からの投融資が増加することを見込んでいたが、
結局は当てが外れた。メリットがないなら参加し続けても意味がないという判断から、イタリアはこの構想から離脱した。

 そのイタリアが、中国企業の誘致に躍起となっているというパズルがある。具体的には、
イタリア政府は世界最大の電気自動車(EV)メーカー大手である比亜迪(BYD)に接触し、
イタリアでの現地生産を開始するように動いているというのである。それも、一帯一路からの離脱を決断したジョルジャ・メローニ首相による肝いりのようだ。

 一帯一路から離脱したにもかかわらず、イタリアは中国系EVメーカーを積極的に誘致しようとしている最大の理由は、自動車工業での雇用の維持にある。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79777