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〝EVの逆風〟加速 自動車大手「ビッグ3」が計画急減速、普及策の「補助金頼み」に行き詰まり アップルも新規参入断念
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3/7(木) 17:00配信
電気自動車(EV)市場が大きな曲がり角に差し掛かっている。ドイツのメルセデス・ベンツや米「ビッグ3」の一角など大手メーカーがEV計画を急減速させ、米IT大手アップルはEVへの新規参入を取りやめた。「脱炭素」の名の下に、「EVに乗り遅れるな」とばかりに正当化されてきたEVシフトだが、利便性や割高な価格といった問題が残ったままだ。米大統領選で共和党候補に指名確実なドナルド・トランプ前大統領(77)はEV奨励策に批判的なことで知られ、〝補助金頼み〟の普及策が行き詰まる恐れもある。
■大手が続々戦略変更
メルセデス・ベンツが2021年に発表した「完全EV化」の計画は、「25年までにEVのシェアを最大50%にする」と想定し、「実質的に20年代の終わりまでにEVに切り替わる」と示した。
だが、同社は2月22日の決算発表で、EVについて「20年代後半には全体の売り上げの最大50%に達する」と当初見通しから鈍化させた。
35年までの「完全EV化」を掲げる米ゼネラル・モーターズ(GM)も、「顧客を失う」として、ハイブリッド(HV)車を導入するよう有力販売店に迫られていると米ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)が報じた。
同社のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)はロイター通信に「EVの成長ペースが鈍化しているのは事実であり、それによってある程度の不確実性が生じている。当社は需要に見合った生産を行う」と述べた。
■専門家「冷静に議論する契機に」
米フォード・モーターが発表した1月のEV販売は前年同月比10・9%減だった。黒字を支えたのは、同42・7%増だったHV車の貢献があった。
自動車ジャーナリストの佐藤篤司氏は「大手も当初から市況を見ながらの計画だったはずで、予想されていたことだ。ただ、日本では『完全EV化』という点だけが注目され、『日本が遅れている』との論調が生まれたという経緯もある」と解説する。
iPhone(アイフォーン)などで知られるアップルのEV開発断念も大きく報じられた。幹部が2月27日、開発担当者らに計画中止を伝えた。