AEW入りオカダ・カズチカ「3年20億円」の超大型契約 原点はメキシコでの1試合500円
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新日本プロレスを1月末で退団したオカダ・カズチカ(36)が6日(日本時間7日)、米国・AEWと正式契約を結んだことが発表された。日本プロレス界の頂点に君臨し続けたレインメーカー≠フ新天地は、2019年5月の旗揚げから急成長を遂げたメジャー団体で、これまでの常識を覆す破格の契約内容を独占キャッチ。オカダが「3年20億円」の超大型契約を結んでいたことがわかった。(金額はすべて推定)
オカダはこの日に放送された「AEW DYNAMITE」(米ジョージア州ダルース)に電撃登場した。かねて親交の深いヤングバックス(マシュー&ニコラス・ジャクソン)と合体を果たし「ジ・エリート」に新加入。エディ・キングストンを代名詞のレインメーカーでKOして会場を爆発させると、大会後にはAEWのトニー・カーン社長が契約を正式に発表した。
新日本退団後のオカダは、フリーとして参戦した2月の札幌大会でラストマッチに臨み、米国マット進出が確実視されていた。世界最大団体のWWEも候補に浮上するなか、新天地に選んだのは豊富な資金力を武器に急成長を遂げ、近年はウィル・オスプレイをはじめとした新日本のトップ選手を次々と獲得してきたAEWだった。入団後初の試合も早々に決定。9日(日本時間10日)放送の「AEW COLLISION」で初陣を迎えることとなった。
さらに本紙の取材では、衝撃の新事実も明らかになった。オカダに近い関係者によると、今回の契約はこれまでの日本プロレス界の常識を大きく覆すものだという。用意された条件は何と「3年20億円」。WWEとの争奪戦に自信をのぞかせていたAEWが、いかに高い期待をオカダに寄せているかがわかる金額だ。
レインメーカーを名乗るオカダが「カネ」にこだわってきたことは周知の通りだが、そこには深い理由がある。同関係者は「常に他のジャンルと競い合う姿勢を見せていたじゃないですか。野球には負けたくない、サッカーには負けたくないと。おカネというわかりやすい形で、レスラーとしてレベルアップができることは大きな意味を持っていたはず。『トップはこのくらいもらえるんだよ』と自分が示すことで、これからプロレスを目指す若い人を増やしたいという気持ちがあったようです」と明かした。
オカダが常に目指していたのは、長らくマイナージャンルの域にあったプロレスの地位向上。2024年現在のプロ野球日本人選手最高年俸は坂本勇人内野手(巨人)と村上宗隆内野手(ヤクルト)の6億円で、オカダは今回の契約でそれをも上回ることになる。もちろんメジャーリーグに目を向ければ上には上がいるが、プロレスラーは他ジャンルと比較しても選手寿命が圧倒的に長い。子供たちに夢を与えるには、十分すぎる金額と言える。
中学校卒業後に闘龍門に入門し、単身メキシコに渡った。04年8月に16歳でデビューした当初のファイトマネーは1試合50ペソ(当時のレートで約500円)。交通費を引かれ、手元には200円しか残らないこともあった。そんな苦しい原点から超大型契約を勝ち取ったオカダにとって、レインメーカーの異名はこの上なくふさわしい。