消費者の「不安」とどう向き合う? 風評被害を経験した水俣市の漁師が送る福島へのメッセージ

漁業をバカにしているんじゃないか!

「何やってんだと。あまりに漁業をバカにしているんじゃないか!」

その日、福島県いわき市の漁業者は怒りをあらわにしていた。2月7日、福島第一原発で汚染水を浄化する装置から、セシウムなどの放射性物質を含む水が漏れでるトラブルがあったからだ。

怒りの背景にあるのは、2023年8月から始まった福島第一原発の処理水の海洋放出。県内の漁業者は風評被害が起きるのではと不安を募らせていたが、放出後は全国各地で支援の輪が広がり、福島の水産物は瞬く間に多くの人に「おいしい!」と言ってもらえる存在になった。全国の人たちが応援しているからこそ、福島の漁業が順調に進んでいるからこそ、“海に関わるトラブルはないように”と、漁師も語気を強める。

「海に水が出た場合どうなるんだと。そうなれば風評だけではすまないべ。しっかり管理してほしいってことは訴えたいね」
2023年10月には、放射性物質を含む液体を作業員が浴びるトラブルが起きていて、処理水の海洋放出後にこうしたトラブルが起きるのは2回目となる。福島の漁業者はその度に、“風評が起きたら困る”と不安を吐露する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab8bbde2d7c20d002b7578624565989f650a8427