「売掛金」(ツケ)を回収する目的で女性客に売春させようとしたとして、警視庁保安課は8日、東京都新宿区歌舞伎町の店舗に在籍していたホスト、
森源太容疑者=東京都杉並区和田1=を売春防止法違反(困惑等による売春など)容疑で逮捕したと発表した。
関係者によると、森容疑者が在籍するホストクラブ「club GENTLY Tokyo」は2023年12月、ホストクラブ経営者らと新宿区との連絡会で「売掛金の廃止」を表明したグループのうちの一つの系列店だった。
警視庁の捜査では、森容疑者はそれ以降も女性客に歌舞伎町の大久保公園周辺で売春させようとしたとみられる。
逮捕容疑は23年12月上旬、SNS(ネット交流サービス)で、20代の女性客に「売春すればすぐに売掛金を返せるでしょ」などのメッセージを送信。
さらに、24年1月中旬にも「支払いが終わるまで預かる」とマイナンバーカードや健康保険証を取り上げるなど困惑させ、売春させようとしたなどとしている。
森容疑者は容疑を否認し、保険証などは「『預かってて』と女性から渡された」と供述しているという。
保安課によると、女性は23年10月ごろ、SNSで森容疑者と知り合いホストクラブに通うようになり、約50万円の売掛金を抱えたとされる。
返済のため、森容疑者の知り合いのスカウトの紹介で性風俗店で働いていたが、1月に大久保公園周辺で売春の客待ち行為をした疑いで警視庁に現行犯逮捕された。
女性客に支払い能力を超える料金を請求し、高額な売掛金を背負わせる悪質な営業を巡って、複数のホストクラブグループの経営者らが区との連絡会で
「(客の)生活を破綻させる営業はしない」との方針を示し、売掛金払いを1月から段階的に減らすと表明。
そのうえで、全ての客に料金の全額をその場で支払ってもらう自主ルールを設け、4月までに移行するとしていた。