【ワシントン=池田慶太、田中宏幸】米国のバイデン大統領は7日夜(日本時間8日午前)、米連邦議会の上下両院合同本会議で一般教書演説を行った。ロシアの侵略を受けるウクライナを支援し続ける考えを示し、「プーチン露大統領へのメッセージはシンプルだ。我々は立ち去らない。屈しない」と訴えた。再選を目指す大統領選を11月に控え、好調な経済をアピールした。
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7日、米ワシントンで一般教書演説を行うバイデン大統領=AP
演説は、民主、共和両党の大統領選候補を選ぶ予備選・党員集会が集中する5日の「スーパーチューズデー」の直後に行われた。共和党のニッキー・ヘイリー元国連大使の撤退でバイデン氏とトランプ前大統領の再対決が確実視される中、バイデン氏は名指しを避けつつもトランプ氏への批判を繰り返した。
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バイデン氏は、ウクライナ支援予算約600億ドル(約8・9兆円)を含む緊急予算がトランプ氏の影響下にある下院共和党の反対で成立しない現状について、「ウクライナ支援は、世界のリーダーシップから手を引くことを望む人たちによって阻止されている」と述べた。その上で「我々はプーチンに立ち向かわなければならない。私に超党派の法案を送ってほしい」と共和党に協力を呼びかけた。
パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘に関しては、「我々は少なくとも6週間続く即時停戦を確立するため、休みなく取り組んでいる」と強調した。「愛する者を家に連れ戻すまで我々は休まない」と述べ、人質の全員解放を目指す考えを示した。
バイデン氏は、海上経由でガザに人道支援物資を届けることを目指し、ガザ沿岸に臨時の桟橋を設置する方針も打ち出した。「仮設の桟橋によって、ガザへの連日の人道支援を大幅に増やせるようになる」と語り、「イスラエルはより多くの支援をガザに認めなければならない」としてイスラエルに協力を促した。