米共和党全国委員会(RNC)は8日、同日付で退任したロナ・マクダニエル委員長の後任に、11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領が推すマイケル・ワトリー氏を選出した。執行部ナンバー2の共同委員長にはトランプ氏の次男エリック氏の妻ララ氏が、最高執行責任者(COO)にはトランプ陣営幹部のクリス・ラチビタ氏がそれぞれ選出された。
RNC執行部の交代を巡っては、4度の刑事訴追やビジネス関連の民事訴訟を抱えるトランプ氏が、多額の訴訟費用を肩代わりさせるためとの見方が強く、党内にも「党の私物化」だとの批判がある。ラチビタ氏は7日、米メディアに「RNCの資金は訴訟費用に使用されることはない」と述べ、批判の打ち消しを図った。
一方でララ氏は「人々は(一連の訴追を)トランプ氏に対してだけでなく自分たちへの攻撃だと受け止めている」と主張し、RNCがトランプ氏個人の訴訟費用を負担することに問題はないとの考えを示している。
RNCはトランプ氏退任後の2021年10月、同氏の弁護士費用の一部を支払っていたことが米紙ワシントン・ポストの報道などで明らかになった。だが、同年11月にトランプ氏が大統領選への出馬を宣言したのを受け、当時のマクダニエル委員長がそれ以上の支払いは行わないと発表。これがトランプ氏や熱狂的な支持者らの不興を買い、マクダニエル氏が任期途中で退任に追い込まれた伏線になったとみられている。
トランプ氏は主に、支持者から集めた政治資金を管理する自身の政治活動委員会から訴訟費用を支出しているとされるが、現在のペースでは刑事裁判の審理が本格化する夏ごろには資金が底をつくとの指摘もある。
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