https://mainichi.jp/articles/20240310/k00/00m/030/030000c
 8日には「発言は後悔していない」と述べていたが、民主党左派から「『記録のない移民』と呼ぶべきだった」との批判が殺到。11月の大統領選に向けて、移民政策に敏感な左派の離反を防ぐため、発言を一転させた。

 バイデン氏が7日の演説で移民政策に言及した際、トランプ前大統領に近い共和党議員は事件の被害者の名前を叫び、「彼女の名前を言え」とヤジを飛ばした。バイデン氏が「殺害された無実の女性だ」と応じると、議員は「不法(移民)によってだ」と叫び返し、バイデン氏も「不法(移民)によって。その通りだ」と述べた。

このやりとりに関して、「不法移民」という言葉を嫌う民主党左派からは「不法な人間などいない」(オマル下院議員)とバイデン氏への批判が上がった。左派は「記録のない移民」「許可されていない移民」といった言葉を使う傾向が強い。

 バイデン氏は8日に記者団に問われた際は「後悔していない」と述べていたが、左派の視聴者が多いMSNBCのインタビューで軌道修正を図り、「私が移民を無礼に扱うことはない」などと強調した。

 一方、大統領選の共和党候補指名を確実にしたトランプ氏は9日、ジョージア州での選挙集会に合わせて、被害者の遺族や友人と面会。集会では「バイデン氏は演説で彼女の名前を正しく発音しなかった。さらに殺人者を『不法』と呼んだことを謝った」と発言。さらにリベラル派が不法移民を「隣人」「新たに来た人」と呼んでいるとして「この国は狂っているのか」と批判した。