
70歳以上対象の「敬老パス」新制度について札幌市議会で論戦 最大5万円分減額に利用者「乱暴な案」 若い世代は「子育て世代の負担も考えて」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3038bd8f6d610b9163f9ec4a9918ec1e7e85c214
札幌市が大幅な制度の見直しを検討している、いわゆる「敬老パス」について、その内容や作業の手順について、市議会で論戦が交わされました。
札幌市高齢保健福祉部 西村剛部長
「利用者の制度変更に対する不安の声を踏まえて、当面の間、経過的措置が必要と認識している」
札幌市議会の2つある予算特別委員会のひとつです。
8日の会合で2時間以上議論したのが、「敬老パス」についてです。
「敬老パス」は、70歳以上の札幌市民が対象で、最大1万7000円の自己負担で、最大7万円分、地下鉄やバス、市電が利用できます。
市が検討している新しい制度では、自己負担による「優待」をなくし、健康につながる活動や取り組みをすることで貯まるポイントが利用額となり、2万円が上限です。
今の制度よりも、利用額が最大で5万円分減額されることになります。
利用者(市民説明会・1月)
「この案は肉体的にも経済的にも大変乱暴な案と言わざるをえない」
利用額の減額やスマホでポイントを貯める方法などをめぐり、市民説明会では、反対の声が。
これを受け、秋元市長は、新制度に移行するまでに「経過的な措置をとること」を明らかにしました。
自民党 川田匡桐市議
「経過的措置の内容について伺う」
8日の予算特別委員会で、市は2年後の2026年4月以降に交付された人は、新制度に。
3月までに交付された人は、3年から5年の間、今の制度を利用できる案を検討していることを明らかにしました。
民主市民連合 中村剛市議
「経過措置として継続する『敬老パス』については、上限額や負担額の見直しを含めて検討していく。新しい『敬老健康パス』事業は、どのようなものにしていくのか、分けて議論していくべき」
札幌市の「敬老パス」に関連する今年度予算は、およそ63億円。
しかし、2050年度には、およそ80億円に膨れ上がると試算されています。
「敬老パス」を使用する世代も、支える世代も納得する制度をどう作り上げるか議論が続きます。
市は、敬老パスの見直しをめぐり市民アンケートをとりました。
その中では、30代以下の世代からは高齢者を思いやる意見もある中、「働き、子育てもする世代の負担を考えてほしい」という将来を不安視する声もあったということです。
各区で開かれた意見交換会には、若い世代の人たちの姿はほとんど見られませんでした。
まさにすべての世代に関わる問題ですから、これからもどんどん声をあげてほしいと思います。