『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督、『オッペンハイマー』に対する「アンサーの映画」を作らなければならないと語る
「“鎮める”という感覚を、世界がいま欲しているんではないかなと」
BY 野津圭一郎
Posted 2024年3月11日14:45

第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が、『オッペンハイマー』に対する「アンサーの映画」を作る必要性を感じていると語った。

『ゴジラ-1.0』は、アカデミー賞で日本映画史上初となる視覚効果賞を獲得。授賞式の生中継番組では、受賞直後の山崎貴監督が各国メディアの取材に応じる模様が一部放送された。

その中でまず、日本映画として初めて同部門を受賞した感想を問われた山崎監督は、「まだそこまで実感が湧かない」と回答。
そのうえで、「日本の映画が海外でもある程度興行をしていければ、日本の映画の環境は変わっていくと思いますし、僕らで変えていかなきゃいけないんじゃないかなって思ってます。そのためにも、これからの行動がすごく重要になってくるんじゃないかなと思います」と述べた。

『ゴジラ-1.0』が快挙を成し遂げる一方、本年度のアカデミー賞全体を牽引したのは、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』だった。原子爆弾の開発を主導した理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの人生を描く同作は、作品賞、監督賞ほか最多7部門で受賞。くしくも、日米それぞれから「核」をテーマに内包する作品がオスカーを手にする結果となった。

『オッペンハイマー』に比較して質問を受けた山崎監督は、「おそらく作っているときはまったくそういうことは意図されていなかったと思いますが、出来上がったときに、世の中が非常に緊張状態になっているというのは、すごく運命的なものを感じます」と現在の世界情勢に言及し、次のように続けた。

「やっぱりゴジラというのは、戦争の象徴であったり、核兵器の象徴であるゴジラをなんとか鎮めるという話だと思うんですけど、その“鎮める”という感覚を、世界がいま欲しているんではないかなと。それが『ゴジラ』のヒットの一部につながっているんではないかなというふうに思います」

「それとは別に、『オッペンハイマー』に対するアンサーの映画は、僕の個人的な思いとしてはいつか、ほんとにアンサーの映画を、日本人としては作らなきゃいけないんじゃないかなというふうに感じています」

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