沖縄県警沖縄署で令和4年1月、約400人の若者が押し寄せて一部が暴徒化した事件で、電光掲示板や警察車両など約326万円相当の物品を損壊したとして、暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)などの罪に問われた指定暴力団旭琉会系組員、岩下侑夢(ゆうむ)被告(23)の判決公判が11日、那覇地裁で開かれた。小野裕信裁判長は共犯者らに襲撃の指示をしたとして、懲役2年4月(求刑4年)を言い渡した。

弁護側は同法違反罪について無罪を主張していたが、判決は岩下被告が共犯者らに「人を集めたか」「生卵だったら指紋がつかない」「もっとやれ」などと伝えていたと指摘。「集団での器物損壊を想定し、人集めを指示した」と共謀を認定した。

沖縄署襲撃事件の契機となったのは4年1月27日午前1時すぎ、沖縄市内の住宅街で男性巡査(当時)が行った職務質問だった。暴走族を警戒していた巡査が、向かってくるバイクに向かって警棒を差し出し、このとき巡査の警棒と男子高校生(当時)の右目付近が接触。高校生は右目を失明する重傷を負った。

その後、SNS(交流サイト)に「高校生が警察に警棒で殴られた」と投稿されたことで、沖縄署に約400人の若者が集まり、石や生卵が投げ込まれたほか、ロケット花火もうち込まれ、庁舎や車の窓ガラスが割られるなどした。

https://www.sankei.com/article/20240311-5XPAK6K6SJKXVF7HF2CEOU4DVE/