経産省「書店振興策」の背景に“書店議連”の提言 文筆家・伊藤亜和氏「書店を守って本がなくなってしまっては元も子もない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c440854e2dbe311aa1deebd914f6b7df9dd6556

現在、全国1741市区町村のうち456自治体に書店がないという(古書店等を除く/出版文化産業振興財団JPIC調べ〈2022年〉)。
このような状況の中、5日、経済産業省による「書店振興プロジェクトチーム」が発足した。

齋藤経産大臣は「街中にある書店は、多様なコンテンツに触れることができる場として地域に親しまれており、創造性が育まれる文化創造基盤として重要だと考えているが近年激減している」と話しているが
具体的な支援内容は決まっていないという。

書店振興プロジェクトの背景には自民党の「街の本屋さんを元気にして日本の文化を守る議員連盟(幹事長は齋藤経産大臣)」の要望がある。
書店議連では一昨年から去年にかけて、政策の取りまとめと提言を行なっており、例えば「ネット書店の送料無料配送などの“実質的値引き”について実態調査・必要な対応を検討」
「図書館で、人気の本の過渡な蔵書を禁止 地元書店からの優先仕入れ」「キャッシュレス決済導入などのデジタル技術を活用した取り組みへの支援策」などが含まれる。

文筆家の伊藤亜和氏はリアルな書店について、「目的の本があって行っても、その場で見つけた本を2~3冊買う。そういう出会いがあるのが魅力」と話す。
一方で、書店議連の提言については、「(本の文化を守りたいのか、書店を守りたいのか)どちらか見えにくい。ネット書店を規制することで、さらに本を買わなくなるのでは。
ネット・図書館・書店、それぞれに良さがあるはずだ。書店を守って本がなくなってしまっては元も子もない」と指摘した。

その上で、本ならではの魅力について「一口に『本』と言っても小説から図鑑まで様々だ。本は結果的にいろいろな分野の才能を高める一助になったり、人の趣味や思考を豊かにしてくれる魅力がある。
本ならではの“余白”がある」と述べた。