ポールさんはポリオの影響で首から下がまひし、自力で呼吸できない状態に。自伝によると、空気の圧力を変えて呼吸を刺激する大型の金属筒「鉄の肺」に入れられた。

ポールさんの母親はこの自伝の中で、「生きるのは不可能だろうと医師から告げられた」と振り返っている。

ポールさんはその後70年間を鉄の肺の中で過ごし、2023年3月にはギネス・ワールド・レコーズから「鉄の肺を使用する世界で最も長生きの存命患者」に認定された。

逆境にあってもポールさんの野心がくじかれることはなかった。呼吸法を習得した結果、数時間連続で鉄の肺から出ることが可能に。大学を卒業して法学の学位を取得し、30年間にわたって法廷弁護士を務めた