中国が米国産小麦の輸入をまたキャンセルした。シカゴの小麦先物相場の重しとなっているキャンセル数が過去最大を更新した。

  米農務省の11日の発表文によれば、民間輸出業者が中国向け米国産軟質赤色冬小麦26万4000トンの購入を取りやめた。こうした発表は3営業日連続で、キャンセルの合計は50万4000トンと、1999年までさかのぼる米農務省のデータでは最大。

  発表後、小麦先物は一時2.7%下落し、1ブッシェル=5.235ドルと、日中ベースでは2020年8月以来の安値を付けたが、その後上昇に転じた。

  アグリソース社のチーフ穀物アナリスト、ベン・バックナー氏は「こうしたキャンセルは中国が他から安く小麦を入手できることを示している」と指摘した。

  それでも小麦先物は午前の取引の終盤には回復した。世界の豊富な作物供給が数カ月にわたり価格を圧迫してきたが、マネーマネジャーがすでに大量の弱気ポジションを保有していたため、トレーダーによるショートカバーの動きを背景に相場は下げ渋っている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-12/SA7N7TT1UM0W00