■戦争の対価があまりにも高すぎます。ウクライナ軍の兵士の数はすでに150万人くらいになっています。兵士として招集されたものの、国の財政悪化で装備品や軍服が支給されず、給料が未払いの兵士もいます。領土奪還への考えは理解できますが、ウクライナとして不可能な戦いをしていると言わざるを得ません。ゼレンスキー大統領への評価もここ1年くらいで大きく変わりました。ゼレンスキー大統領では停戦の話が出ない、ロシアと停戦交渉をするような気配が全くみえません。

── ウクライナ国内で政権への不満や批判が出ていると。

■今回の戦争が始まった頃から、ウクライナには「二つの敵」があると思っています。一つはロシアという敵、もう一つはウクライナの汚職、腐敗という「内なる敵」で、これはソ連時代から続くものです。ウクライナはロシアという外敵には耐え抜き、パーフェクトに戦っています。しかし、二つ目はウクライナ内部の問題です。ウクライナ軍への支援資金が不正に使用され、例えば卵が市場価格の3倍で購入されたり、ゼレンスキー大統領が任命した前国防大臣の汚職問題などがあります。

 ゼレンスキー大統領本人も、戦争が始まってから国民そっちのけで海外に向けた情報発信ばかりで、国内と海外の評価が全然違います。国内でデモも起こっています。ゼレンスキー大統領の「国民の僕(しもべ)」党の支持率は10%以下です。今年は新政権への動きがあり得ると思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d7a51aa45d15e15c3f0945f0096c90ba9d150da