京都府亀岡市の念仏寺で、15日の涅槃会(ねはんえ)に向けて、参拝者に授けるお守り「花供(はなくそ)」作りがあった。「はめ(マムシ)よけ」として信仰を集める小粒の団子を檀家が丁寧に袋に詰め、今年は約2千袋を用意した。

 同寺の涅槃会は「お釈迦(しゃか)さん」の呼び名で親しまれる。釈迦の前で毒蛇がおとなしくなったという故事から、農家や山仕事をする人たちに釈迦へのマムシよけ信仰が広がったという。

 花供は、米粉を練って直径1センチほどに丸めた粒を湯通しして、仏前で乾燥させて作る。10日に檀家約20人が本堂に集まり、1週間かけて固まった花供から10個ほどを選んで袋に小分けしていった。

 農業をしていた檀家総代(74)は「マムシに何度か遭ったが、かまれたことはない。最近は農作業の機械化で遭遇する場面が減って、花供を求める人が減っている」と話していた。

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