米国のドナルド・トランプ前大統領が、自身が大統領選で敗れた場合は「国が血の海になるだろう」と述べ、無断越境者などを「野獣」と呼ぶなど、またしても暴言を吐いた。
生産地とは関係なく中国企業の自動車に関税を100%支払わせるとする立場も表明した。

トランプ前大統領は16日、オハイオ州バンダリアで行った遊説で「私が落選すれば、全体が血の海になるだろう。最低でもそうなる」として、「国が血の海になるだろう」と述べた。また、「この選挙に勝つことができなければ、あなた方はふたたび選挙をすることができるかわからない」と述べた。
トランプ前大統領は、2020年の大統領選挙は「盗まれた」という主張を繰り返しており、2021年1月6日に選挙人団の投票結果の承認を妨げようと議会議事堂に乱入して懲役刑を宣告された支持者たちを「素晴らしい愛国者たち」と称賛したりもした。

トランプ前大統領はさらに、外国政府が若者たちを収容していた刑務所を空にして、彼らに米国の国境を越えさせているとして、「いくつかのケースを見てみると、私は彼らを人と呼ぶべきか分からない」と述べた。
さらに「私の考えでは、彼らは人ではない。野獣だ」と述べた。トランプ前大統領は、バイデン大統領について何度も「まぬけな大統領」だと非難した。

「血の海」発言についてトランプ前大統領の選挙陣営の報道担当は、これは中国製自動車問題を語っているときに出たものであり、「バイデンの政策が自動車産業と労働者たちに経済的な血の海を作っている」という趣旨だったと、NBC放送に述べた。

トランプ前大統領はこの日、中国の自動車企業が、米国に売る車に無関税の特恵を与えるためメキシコに大規模な工場を作っているとして、「あなた方が米国人を雇用せずに私たちに車を売るのであれば、すべての車に関税100%を課す」と警告した。
さらに、「私が当選すれば、その車を売ることはできなくなる」と述べた。米国では、中国企業が「インフレ抑制法」(IRA)にともなう電気自動車への補助金の特恵を得るため、
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)による補助金特恵を受けることが可能なメキシコに工場の設置を推進しており、同協定の弱点が露呈しているという指摘が提起されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/430bf44c8b8ba6602730b5f457cc07ee80b57ffc