多数のオンラインゲーム震撼させる「チート付与」―原因はどこに?最悪はPC破壊もあり得る状況のまま広がり続ける混乱、その現状を整理

3/19(火) 14:45配信

国際大会での衝撃的な事件で未だ話題の『Apex Legends』チート付与問題。その原因として可能性が挙げられていた
Easy Anti-Cheatが、公式Xを通じ脆弱性の悪用はないとの判断を示しています。

大舞台での大胆な犯行に界隈大混乱。過去には『GTA』等でも悪用された脆弱性突いたか
「Apex Legends Global Series」北米リーグにおいて有名選手のプレイに突然チートを適用させるという大胆な犯行に始まった今回の騒動ですが、
発生から一夜明けた3月19日現在でもその混乱は続いています。
これを受け原因の可能性を疑われていたEasy Anti-Cheatは公式Xにて「RCE(リモートコード実行)脆弱性の悪用はないと現時点で確信している。」との声明を出した一方、『Dead by Daylight』にてPS5版も含め類似の現象が報告されているなど新たな懸念材料も増加し、情報が錯そうしているようです。

起きた現象から今回使われたとみられているRCE脆弱性とは、
外部からターゲットに任意の命令を行わせられるというもので、その対象範囲次第ではPCそのものの論理的な
破壊にもつながる重大な脆弱性に成り得ます。最近では修正、対策済みではあるものの『GTAオンライン』や
『ダークソウル』PC版で同様の脆弱性を悪用した事例が報告されており、
アカウント破損等の被害報告と共に完全な任意コード実行の危険性についても恐れられていました。


原因の可能性は多岐に。可能性低いものの最悪の場合修正不可の場合も
今回の場合、具体的に脆弱性が存在する可能性のある部分として考えられる部分にチート対策プログラムであるEAC、
『Apex』本体のアプリケーションやシステム、OS、さらにパソコンの頭脳たるCPUの設計自体が挙げられ、
これらの組み合わせの場合もあり得ます。EACや『Apex』本体の脆弱性によるものであれば対応を待ち、
解決までゲームをプレイしないことが安全な選択です。なお前述の通りEACは、今のところ脆弱性が悪用された形跡はないと示しています。

一方、OSの脆弱性であれば実際にPCのシステム全体に影響を及ぼせる可能性が高く、
OSのアップデートまでPC自体を利用することを控えるべきということになります。
さらにCPUの設計自体に問題があれば、OS側で対応策を作る等の手段は過去に例があるものの最悪の場合修正が不可能となる場合も考えられるようです。
ただ、通常こういった脆弱性は見つかり次第早急に注意喚起、修正されることが多いのですが、
今回のケースではまだそういった動きは見られず、それも混乱の広がりを助長してしまっている形です。

Steam版『Apex』ピーク時同接15%減…。広まれば報復や妨害目的でチート付与の可能性も
SteamDBによると今回の騒動を受け『Apex』では、直近一か月間ピーク時には毎日45万人前後のプレイヤーが
同時接続していたところを3月18日のピークは38万人と15%ほどのプレイヤー減に繋がったことが見て取れます。
一方で、標的となるのは有名な配信者等のみであろうとの意見からプレイを続行するプレイヤーも少なくないようです。

また、チートを付与されたImperialHal選手が未だにBANされていると語るように付与されたチートでもBAN対象となる様子。
これを鑑みると、仮にこのチートが広く配布されてしまっていた場合、チーターへの指摘行為が無実の人間への糾弾になってしまう危険が生じます。
その性質を使い、配信でのプレイ、その他さまざまな理由に対する報復、妨害行為として使用されることも考えられ、
ゲーム内での自浄作用も働かずコミュニティが萎縮することは想像に難くありません。ユーザーの混乱や不安を少しでも和らげるためにも、
早急な調査と報告、そして対応が待たれます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f61f0db07ee6b8979de979afaeb0216a1bfbf774