イリルさんのオススメ「BUNK’ART 1(バンカート1)」は、街の中心部から路線バスに揺られて30分ほどの郊外にある。アルバニアでは共産主義時代、核戦争に備えて国中で17万から18万個以上ものバンカー(核シェルター)が作られ、今でも、いたるところに、おわんを逆さにしたような半球形のバンカーが点在している。その中でも、「バンカート1」は、政府高官らを収容するための最大規模のものだった。

地下5層におよぶ核シェルターは、とにかく巨大で、延々と続くトンネル状の内部には、数え切れないほどの小部屋が並び、当時の歴史資料などが展示されている。一見の価値はあるが、時期や時間帯によっては見学客がまばらで、当時の音源が鳴り響き、所々にリアルなマネキンが置かれている広大な地下トンネルは、少なからずおどろおどろしい。

https://www.asahi.com/and/article/20200401/300231152/