宇宙にあふれる「ごみ」 迫る衝突の脅威「今やらないと手遅れに」

 運用を終えた衛星や打ち上げ後に切り離されたロケットの機体などが、「スペースデブリ(宇宙ごみ)」となって宇宙空間を飛び交っている。欧州宇宙機関(ESA)によると、10センチ以上のデブリは3万6500個、1ミリ以上だと1億3千万個。地球のまわりはごみであふれている。

宇宙ごみの除去サービスめざす日本企業

 日本時間2月18日深夜、ニュージーランドの発射場から、米ロケットラボ社のロケットが打ち上げられた。打ち上げから約64分後、高度約600キロメートルで載せていた衛星を分離し、予定の軌道に投入した。

 この衛星は、日本の宇宙ベンチャー「アストロスケール」(東京)が開発した。2009年に打ち上げられた日本の大型ロケット「H2A」15号機の上段部分に数百キロメートルまで近づき、衛星に搭載したカメラで動き方や劣化の状況を把握することをめざす。

 デブリに接近して、その姿を調べるのは世界初の試みだという。将来は、アームを使ってデブリを捕まえて、地球の大気圏に突入して燃やすことを計画する。

 だが、近づくのは簡単ではない。上段部分は全長約11メートル、直径約4メートルあるものの、正確な位置を把握することが難しいという。

 それでも、同社の岡田光信・最高経営責任者(CEO)は「デブリの衝突リスクは刻々と増加していて、このまま放っておくと宇宙が使えなくなる。宇宙の持続利用を可能にするためには、今やらないと手遅れになる」と危惧する。

■猛スピードのデブリ、除去方…この記事は有料記事です。残り1163文字
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