かび毒と農産物の汚染は多様

 かび毒は、その種類によって汚染する農産物や汚染する時期・作物中の部位などが異なります。例えば、麦が開花期から登熟期にかけて長雨に合うと、穀粒に赤かび病の病原菌であるフザリウム属(Fusarium)のかびが付着・増殖し、かび毒の一種であるデオキシニバレノール、ニバレノールなどを産生します。

 一方、収穫期や貯蔵中に増殖したかびが産生するかび毒もあります。例えば、りんご果汁での汚染が知られているパツリンは、土壌中のペニシリウム属のかび(Penicillium expansum)がりんご果実についた傷から侵入し、貯蔵中に果実の中で増殖する際に産生するとされています。

 また、かびによるかび毒産生量は、環境条件などの影響を受けることから、地域の自然条件や年ごとの気候変動による差が大きいだけではなく、個々の農産物の生産管理や貯蔵などの取扱い状況によっても異なります。単年度の調査では、適切にかび毒の含有実態を把握することは難しいため、農林水産省では、食品中のかび毒に関して継続的に実態調査を行っています。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/kiso.html
https://www.daimaru.co.jp/umedamise/topics/assets/img/240313banpaku.jpg