https://www.asahi.com/articles/ASS3X3395S3XUTIL013M.html

お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(60)に性的な行為を強要されたとする女性2人の証言を報じた週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、
松本さんが発行元の文芸春秋などに5億5千万円の賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁であり、文春側は請求の棄却を求めた。
松本さんは出廷しなかった

週刊文春が昨年12月27日発売号で記事にした女性2人のうち30代の1人が朝日新聞の取材に応じ、週刊文春の報道について「記事の内容は間違っておらず、事実だ」と話した。

 「今まで被害のことを忘れた日はない。屈辱的な気持ちだった」。
女性は動画や街中の広告で松本さんを見るたびに当時を思い出し、被害にあったというホテルにいるような感覚に襲われる、と話す。

 訴えた理由について「なかったことにはしたくなかった。泣き寝入りせず、訴えることが使命だと思った」。
一方で、記事が出てからネット上では「虚言癖」「金目当て」といった書き込みもあったという。
女性は「記事にある私の証言は事実だし、文春から金銭は受け取っていない」と話す。
身元や自宅が特定されて部屋に誰かが入ってくるのではないかと不安になり、護身のために包丁を寝る時や入浴時に常にそばに置いていたと明かす。

 松本さんが今回の訴訟を起こして「一日も早く、お笑いがしたい」などとコメントしたことについては「自分が被害者のような言いぶりで違和感を覚えた。
性加害をしたと認める気も、反省する気もないのだと感じた。憤りしかない」。
女性は今後、証言台に立ち、主張をしていくつもりだという。

 この女性のケースについて、朝日新聞は吉本興業や、松本さん側に事実関係の確認などを求めた。
吉本興業や、松本さんの代理人弁護士からは期限までに回答はなかった。
小沢さん所属のホリプロコムは「現在、松本氏と株式会社文芸春秋との間で訴訟が係属中であることから、回答を控えさせていただきます」としている。