「漫画のストーリーというのは、最初から決めて書いているとお思いの読者が多いとおもう。
しかしあにはからんや。まったくどっちへころんでいくか、ぜんぜん見当のつかんものなのです」
「『大ぼら一代』は、とくにそうでした」「『大ぼら一代』を完結しおえたときには正直いって、ホッとした」

単行本の作者コメントも本音丸出しすぎだが、後に本宮先生はボクのインタビューで、こう言っていた。

「『なんで、みんなこんなに臆病かな?』って思うんだよね。若い漫画家もそうだけど、
結局、無難なところから離れていかないで、いつでも収拾できるストーリーの状況でやるわけでしょ?」

「青年漫画を読んでると、1メートルぐらい潜ったところにコインを投げて、『それ拾って来い』って言われたら、
そんなの簡単じゃないですか。その領域を出てないんですよね」

「俺なんかだったら、どこまで潜っちゃったかわかんないってとこまで潜って探しにいく。
10メーターぐらいの所まで落ちちゃってんだよね。どうやったって3メーターぐらいまでしか潜れないよ。
それで『すいません、取れませんでした』って、途中でブン投げて終わるとか、
そういうことに俺、結構慣れてて免疫があるのかもしれないね。
途中まで行ってみたけど、拾えませんでしたっていっても、途中までは面白かったんだからいいじゃない」
https://bunkaonline.jp/archives/4659/2