東電、２年ぶりの最終黒字予想 燃料価格下落で利益押し上げ
東京電力ホールディングスは、2024年3月期決算の業績予想を発表した。最終的なもうけを示す純損益が2470億円の黒字（前年は1236億円の赤字）になると見込む。黒字は2年ぶり。福島第一原発の処理水の海洋放出による賠償額の見積もりができていないとして、これまで「未定」としていた。
前年に急騰した燃料価格が落ち着いたことが利益の押し上げにつながった。燃料価格の変動が電気料金に反映されるにはタイムラグがあるため、4130億円の増益効果になるとした。
処理水の賠償費用は515億円と見積もった。1月末時点の見積もりから145億円増えた。さらに膨らむ可能性もあるという。
東電の事業計画では、除染費用を確保するため、年4500億円の純利益を出すことを目標としている。山口裕之副社長は3月29日の会見で、「去年からは改善できたが、安定的に収益を確保するにはまだ課題がある」と話した。（三浦惇平）
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