【北京】電気自動車(EV)が台頭したことで、世界の自動車市場が二分されつつある。一つは中国産車を歓迎する市場、もう一つは実質的にそれを排除する市場だ。

 昨年の春、横浜の本社に集まった日産自動車の幹部は、世界地図を見つめていた。

 世界は四つに色分けされていた。赤は中国からの自動車輸入を阻止している国、黄色はいずれ輸入を停止する可能性がある国、グレーは今後何らかの制限を設ける可能性がある国、緑は制限を設けておらず、今後もその可能性がない国だ。

 この話し合いの目的は、地政学的な緊張が高まる中でも、EVを含め日産が中国で生産した自動車を輸出できるかどうかを検証することだった。「緑」または「グレー」に分類された国は全体のおよそ60%だった。「黄色」を含めるとその割合はさらに高くなった。

 地図を見るかぎり、市場の80%が中国産車を受け入れる環境があることが分かる。日産の中国投資部門を率いる松山昌史氏はこう指摘した。日産は、どの国をどの色に分類したかについては明言しなかった。

 日産は輸出計画を実行に移すことにした。昨年11月には中国からの出荷を2025年に開始すると発表。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)も含まれるとしたものの、出荷先は明らかにしなかった。


https://jp.wsj.com/amp/articles/chinas-role-in-evs-is-splitting-the-global-auto-market-in-two-c3a00bff