https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-05/SBG2FAT0AFB400

日本製鉄は5日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画に関連して同社の中国事業を問題視する声が上がっていることを受け、
投資先の中国企業は、米国など他の国での同社の事業運営や経営上の意思決定に関与していないなどと反論した。

  日鉄は声明で、中国のパートナー企業についても、日鉄の中国以外の国における研究開発やエンジニアリングなどの事業運営に関する情報にアクセスはできないとコメント。
また、日鉄の持つ全生産能力のうち、中国事業が占める割合は5%未満で、さらに鉄鋼業の投資の大部分を占める鉄鋼や電炉といった上工程設備はないと指摘した。

  11月に米大統領選が控える中、日鉄によるUSスチールの買収は政治問題化する懸念が増している。
バイデン大統領は3月、USスチールに対して米国資本の企業として存続するよう求める声明を発表。
一方、大統領選出馬を目指している共和党のトランプ前大統領は自分が当選すれば阻止すると発言している。

  民主党のシェロッド・ブラウン上院議員はバイデン大統領に宛てた1日付の書簡で、
日鉄と中国の鉄鋼業界との関係について「徹底的に調査することが不可欠」と主張した。
コンサルティング会社ホライゾン・アドバイザリーのリポートを基に、中国鉄鋼市場への関与やウイグル強制労働防止法違反の可能性などについて「深刻な懸念」があるとした。

日鉄は声明で、ホライゾン・アドバイザリーのリポートには「多くの不正確な記述や虚偽の表現」が含まれているとした。
新疆ウイグル自治区にはこれまでに拠点を有していたことはないという。