https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2401/

保守派かリベラル派か、知能の進化具合が違いをもたらしている可能性があるようだ。
最新の研究によると、人類の進化が進むと、因習打破主義に向かっていく傾向があるという。 
イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の進化心理学者で今回の研究を行ったサトシ・カナザワ氏は、
「知性や宗教心、浮気心の強弱はすべて知能の進化に関係している」と話す。

逆に言えば、ハイレベルの知識階級は常識や旧態依然とした考え方にとらわれない特性を受け継ぎ、比較的新しい社会的価値や行動様式を受け入れる可能性が高くなるという。
例えば、リベラル思考、無神論、夜型の生活、男性にとっての一夫一婦制などが該当する。

カナザワ氏は、「この志向は、頭の良い人の脳が新しい状況にうまく適応しようとする結果、生じるものだ」と話す。

カナザワ氏が研究で採用したのは、全米青少年長期縦断的健康状態研究(Add Health:National Longitudinal Study of Adolescent Health)のデータで、
1994年以降、同一の被験者グループが継続的に調査対象になっている。

この研究データは、絵を使ったボキャブラリー・テストに参加した13~19才の若者のIQを測定したもので、
7年後に同じ被験者に対して各自の宗教観と政治思想に関する質問が行われた。

データ分析の結果、7年後に「まったく宗教心がない」かつ「非常にリベラル」と回答した人は、
「非常に宗教心がある」かつ「非常に保守的」と回答した人に比べて、10代のころのIQが高いことがわかった。