雨には随分悩まされた。かっぱを着たが、水滴が付いて眼鏡が見えにくい。タイヤが滑るなどして「20回くらいこけた」。石に脚が当たってしばらく動けなかったことも。朝起きてから、ずっと耳が聞こえにくい日もあった。

 そんな旅で道しるべにしたのは、20万分の1の地図だ。道に迷ったときは駐在所などで教えてもらった。親切にメモを書いてくれてうれしくなった。自分でも地図の通った場所に赤鉛筆で丸を付け「ここまで来たぞ」と喜びに浸った。

 車道では、ひたすら白線の外側の狭い部分を走る。白線がまっすぐ延びているのを見て「これが東京までつながっている」と考えると楽しくなった

https://news.yahoo.co.jp/articles/8907cfdd5adf733f0d88367f94cfcefef741e19f