トランプ復活なら「台湾侵攻は静観」「ウクライナは分割」の悪夢か…説得のために「日本政界の長老」が動き出した
4/9(火) 7:03配信


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 「もしトラ」という単語をご存知だろうか。「もしトランプ氏が米大統領に再選したら」というフレーズの略称だ。大統領返り咲きを狙う共和党のトランプ氏は、多くの州で予備選・党員集会が開かれる今年3月の「スーパーチューズデー」で圧勝し、対立候補のヘイリー元国連大使は選挙戦撤退を余儀なくされた。トランプ氏の再選が現実味を帯びる中、中国との向き合い方や、半導体サプライチェーンを含めたインド太平洋地域での経済連携、欧州との安保協力などの行方が焦点となる。

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「2027年」が迫る
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 日本など東アジア地域が最も意識する安全保障リスクは、中国による台湾への武力侵攻だ。中国の習近平国家主席は、3期目から4期目に差し掛かる2027年にも台湾侵攻に踏み切るとの観測が識者の間で浮上している。

 台湾有事に関する意見は割れている。不動産市況悪化で中国経済が弱含む中、「割に合わない戦争を仕掛ける余裕はない」(アナリスト)との意見が多いものの、習主席が国民の不満を逸らすため一線を超えるとの警戒感もくすぶる。

 仮に中国が台湾に攻撃を仕掛ければ、台湾海峡は封鎖され物流機能が麻痺状態に陥り、アジアのみならず世界経済に大打撃を与えることは必至。日本も「存立危機事態」に陥る可能性が高く、米国も軍事的リソースを大きく割かざるを得ない。平和と安定を維持する上で、「台湾有事を起こさせない」(元外務省幹部)ことが日米をはじめとした地域の利益となる。

トランプは「台湾有事」に関心なし
 バイデン米大統領は3月の一般教書演説で、「台湾海峡の平和と安定」に向け、日韓豪印などとの協力を深めていると強調。中国の軍備拡張を防ぐため最先端技術の輸出管理強化にも言及した。

 他方、トランプ氏は台湾有事を重大な問題と捉えていない可能性がある。昨年7月、FOXニュースのインタビューで、中国が台湾への武力行使を実行に移した場合の米国の対応を問われた際、「(政権を取った場合の中国との)交渉で不利になる」として明言を避けた。

 さらに、台湾について「半導体事業の全てを奪った」と非難した。世界的な半導体企業である台湾積体電路製造(TSMC)は日米にも工場を設けるなど、インド太平洋地域の半導体サプライチェーンを支える中核的な役割を担っている。

 そんな台湾が中国に攻め込まれ半導体の生産停止に追い込まれれば、日米をはじめとした同地域は国家機能が麻痺することは不可避となる。経済安全保障に詳しい識者は「トランプ氏には半導体協力における重要性を理解させ、経済・軍事面での台湾への関与を強めてもらう必要がある」と強調する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/301f88546bafea0e5f48ccccc574ce4caad5f1a3