Huaweiが中国の上海に広大なチップ機器の研究開発センターを建設中、すでにASMLやTSMCなどで働いていた多数のエンジニアを雇用
https://gigazine.net/news/20240412-huawei-chip-equipment-rd-center-in-shanghai/
Huaweiが中国の上海市青浦区に大規模な半導体装置の研究開発センターを建設していると、Nikkei Asiaが報じています。この研究開発センターでは、最先端のチップを製造するために必要なリソグラフィー装置の開発が行われる予定だとのことです。

Huaweiは建築中の研究開発センターで、リソグラフィー装置の開発に取り組むとのこと。リソグラフィー装置はシリコンウエハーに回路パターンを焼き付ける装置で、最先端のチップを生産するために不可欠な装置です。リソグラフィー装置の生産はオランダのASML、日本のニコンとキヤノンが独占しており、特に次世代半導体に必要なEUVリソグラフィー装置の生産についてはオランダのASMLがほぼ独占しています。

しかし、アメリカは中国にリソグラフィー装置を販売しないように、ASMLをはじめとするメーカーに圧力をかけているため、中国企業のHuaweiは正規の手段で最先端のリソグラフィー装置を調達することが非常に難しい状態です。そこで、Huaweiはリソグラフィー装置の自社開発を行おうとしているというわけです。

リソグラフィー装置の開発には膨大な予算と経験豊富な人材が必要です。Huaweiの2023年における研究開発費は過去最高の1647億元(約2兆5000億円)で、この金額はHuaweiの総収益の23.4%に相当します。総収益のおよそ4分の1を研究開発に投じているということは、Huaweiが技術革新に特に注力していることを示しています。

また、Nikkei Asiaによると、Huaweiはこの研究開発センターの従業員の給料として、地元のチップメーカーと比較して約2倍の額を提示しており、TSMCやASML、Intel、Micronなどで働いていたベテランエンジニアを特に募集しており、Huaweiは惜しげもなく人件費を投入することで経験豊富なベテランエンジニアを雇用しようという姿勢を見せています。