◆周囲からも好印象だった“会社員経験あり”の新人看護師

看護師をしている花田曜子さん(仮名・30代)は、同じ部署に配属となった新人看護師のエピソードを教えてくれた。
新人の彼女は当時26歳。高校を卒業した後は3年間ほど事務職を経験し、看護大学を経て看護師になったという。

彼女が看護師を目指した理由は「将来を考えたときに事務職より看護師のほうがどこに行っても働けるから」だった。

花田さんがいた部署はまず、“外回り”という業務から始まるそうだ。外回りは主に採血や点滴、バルン交換といった医療処置、検査の送迎、物品の補充などを行う。

「配属して最初の1か月は、患者さんを受け持たず病棟の雰囲気に慣れる目的です。私も彼女と組んだことがありますが、
一生懸命メモを取っていて返事も明るく、周りのスタッフからも好印象でした」

◆「今日も休みます!」次第に遅刻・欠勤が増え始める
彼女自身も「新しい仕事ばかりで覚えるのはとても大変ですが、患者さんと話もできるから楽しいです」と前向きに仕事に取り組んでいたという。

しかし、入社2週間目から変化していく……。
「遅刻するようになり、徐々に休む日が増えました。仕事は8時半から開始となるのですが、だいたい8時15分に職場に電話がかかって来て、
『体が動きません。今日も休みます』と言うんです」

配属されてから3週間後には全く来なくなり、彼女の出勤簿欄はすべて欠勤になっていた。
花田さんたちは「何か指導のやり方がいけなかったのか……」と心配していたが、結局、退職することになったそうだ。

そして上司から「彼女は元々、体調を壊しやすいタイプだった」と告げられた。

「特に、春の季節は症状が重くなってしまうようでした。事務職をしていたときも同時期に休むことが多く、
しょっちゅう欠勤していたと聞きました」と花田さんは話す。

◆「もう看護師はやりません」
また、「人の排泄物を触るのが嫌なので、それ以外の仕事をさせてください」と、彼女が上司に申し出ていたことを耳にした。
「上司は『そこは看護師の基本だよ。特に病棟は必須。その仕事があるのを前提でここに就職したんじゃないの?』と
思わず言ってしまったとのことでした」
花田さんは、退職日に荷物を取りに来た彼女に会ったそうだが、笑顔で「お世話になりました。もう看護師はやりません」と放った言葉が印象的だったという。

同僚たちは彼女の体調を心配しつつも、呆気に取られていたそうだ。
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