窮地の米下院議長、トランプ氏に泣きつく 解任動議封じ込め狙う
https://mainichi.jp/articles/20240413/k00/00m/030/027000c
 米連邦議会のジョンソン下院議長(共和党)は12日、南部フロリダ州のトランプ前大統領(同)の自宅を訪れ、
11月の大統領選への対応を協議した。ジョンソン氏は予算審議を巡って民主党と妥協したことで、
トランプ派のグリーン下院議員(同)から解任動議を突きつけられており、実質的な共和党のリーダーである
トランプ氏に泣きついた形だ。

 トランプ氏は協議後の記者会見で「私は議長とも、マージョリー(グリーン氏)とも非常によい関係だ。
(民主党との議席差が小さく)誰が議長であっても難しい状況だが、議長は非常によくやっており、
マージョリーも理解していると思う」とジョンソン氏を擁護した。

 一方、12日の協議では、今後2カ月間に下院で選挙の公正性に関する公聴会を集中的に開催する方針を確認した。
トランプ氏は、自身が落選した2020年の大統領選は「不正な選挙だった」と根拠なく訴え続けており、
民主党のバイデン大統領との再対決を前に「不正」に焦点を当てる狙いがあるとみられる。

 グリーン氏は、民主党幹部を含む小児性愛者の「ディープステート」(影の国家)が世界を牛耳っているとする
極右陰謀論「Qアノン」の信奉者としても知られる。突然の議長解任動議提出に対し、共和党穏健派からは
「ばかげた行動で、保守運動を進めることと何の関係もない」(ローラー下院議員)との非難の声も上がった。

「Qアノン」とは悪魔を崇拝し児童を虐待する小児性愛者の国際的ネットワークが存在し、ドナルド・トランプ前大統領が
それを打倒するため戦っているとする保守系の陰謀論で、グリーン議員はその信奉者として知られる。この陰謀論の
信奉者が多数、1月6日の連邦議会議事堂襲撃に参加した。

グリーン議員は過去に、2001年9月11月の米同時多発攻撃や複数の学校での銃乱射事件について「でっちあげ」だと
発言したり、被害者につきまとい嫌がらせをしたりしていた。