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https://globe.asahi.com/article/15163443
あのセミたちが、やってくる。米国の中西部や南東部では、かつてないほどの多さになるだろう。少なくとも、(訳注=米国がフランスから210万平方キロを超える領土を購入した)「ルイジアナ買収」の年以降では最大の数になる。

その買い取りは、1803年のことだった。2024年は、それから初めて北米固有の「素数ゼミ」(訳注=13年ごとに大量発生する「13年ゼミ」と17年ごとの「17年ゼミ」がある。13も17も素数であることからこの呼び名があり、「周期ゼミ」とも呼ばれる)の二種がともに羽化する年となる。

それぞれの種は、発生する年によっていくつもの年次集団(brood=ブルード)に分かれている。このうち13年ゼミのブルード19(別名Great Southern Brood〈大南方年次集団〉、以下GSB)と17年ゼミのブルード13(別名Northern Illinois Brood〈イリノイ北方年次集団〉、以下NIB)が、いずれも成虫となる「ダブル羽化の年」を今回は迎える。

この両種が最後にダブル羽化したときの米大統領は、トーマス・ジェファーソン(訳注=任期1801-1809年)だった。2024年春のダブル羽化が過ぎると、次の到来までは221年も待たないといけない。ちなみに、NIBとGSBの生息域は、地理的には隣接しているものの、重なっているところはほとんどない。

「現代人は、だれ一人として次のダブル羽化を体験することはできない」とフロイド・W・ショックレーは、いかに貴重な機会であるかをまず強調する。昆虫学者で、米国立自然史博物館の収集担当マネジャーだ。「人間が、本当にちっぽけな存在に見えてくる」


BBC動画(グロ注意)
https://youtu.be/EWr8fzUz-Yw?si=lOorBKYHPvtzL7EB