鉄製の側溝蓋の盗難、埼玉県内で多発…3月に上尾で377枚・川越で159枚

道路の側溝を覆う、格子状の鉄製の蓋(グレーチング)が盗まれる被害が埼玉県内各地で多発している。
県警のまとめによると、2023年には117件の盗難が確認された。背景には金属価格の高騰があり、売却目的で犯行が繰り返されているとみられる。

「生活費のため」

「側溝の蓋がなくなっている」。3月10日午前、川越市石原町の学校グラウンド脇の道路を通った市民から、こんな連絡が市役所に入った。
駆けつけた市職員が、側溝蓋が11枚なくなっているのを確認し、110番した。

通行人が転落しないよう市はバリケードを設置。その後、コンクリート製の蓋や木製の板で穴を覆う応急措置を取った。

1か月ほどが過ぎた今月11日、県警は窃盗容疑で住所不定の男(24)を逮捕した。蓋の重さは1枚30〜40キロもあるが、
県警は何らかの手口で取り外し、一人で車に積んで持ち去ったとみている。男は調べに「生活費を稼ぐためだった」と供述しているという。

川越市によると、市内では3月3〜29日の間に、住宅街など145か所で計159枚の側溝蓋が盗まれた。被害総額は約420万円。
市道路環境整備課の細田武志副課長は「すぐに新しいものを設置すると、また盗まれるかもしれない。お金も、手間もかかる」と困り顔だ。

狙われる金属
県警によると、川越市以外でも同様の盗難事件が確認されている。上尾市では3月下旬、公園2か所で計377枚が盗まれた。
上尾署は、2か所が同一犯による犯行とみて調べている。

側溝蓋以外の金属類も狙われている。県警によると、昨年1年間に確認された金属類の盗難事件は、銅線・電線・ケーブルが362件、
水道メーター・バルブ・蛇口が89件だった。いずれも盗品は、買い取り業者に売りさばかれた可能性が高いとみられる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd465f9be5da237dbbe229875dd0d34271abb02f